国谷裕子さんインタビュー

 もりおか女性センターでは、毎年6月に国が定める『男女共同参画週間』に合わせて「男女共同参画週間 もりおか展」を開催しています。本年は、6月26日(日曜)にキャスターの国谷裕子さんをお招きし「女性が活躍できる社会をめざして」というタイトルで講演会を開催いたしました。
 講演会終了後に国谷さんにインタビューをさせていただきましたので、その内容をお届けいたします。

(問1)もりおか女性センターのような、地方の小さな講演会をお引き受け
    くださった理由がありましたらお教えください。  

 講演の冒頭でも申しましたように、日本中いろんな自治体が熱心に、女性が活躍できる社会をどうすれば作っていけるのか、試行錯誤されている感じを受けています。このことは今、私にとっても大きなテーマです。

 女性が働いたら子どもを産まなくなると考える男性もいますが、女性が働きながら育児も出来る、そういう社会、環境を日本中で作っていかなければ、本当の意味での少子化問題の解決につながらないのですから。

 小さな講演会かどうか私は知りませんでした(笑)

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(問2)本日の講演を終えられた感想はいかがですか。
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 地域ごとに様々な事情があるなかで、どこまで私の話が響いたのか、少し心配ですが、皆さん、とても熱心にお聞きいただいていらっしゃいました。

 私としては、今、日本全体としてどういう状況にあるのかということを普遍化して、ちょっと引いて見る目線を持っていただきたいとの思いでした。

 今、女性をめぐる社会の動きはこうなっているのでは、ということをお伝えしたかったので、それが皆様に届けられたらいいなぁと思っていました。

 

(問3)これから何をしたいと思っていらっしゃいますか。夢や10年後は
    こうあり
たいなどのお考えがありましたらお教えください。
  今はやはりこの女性のテーマを伝えていきたいという気持ちです。

 あともう一つは、環境についてです。昨年は、パリ協定※1 やSDGs(持続可能な開発目標)※2 が採択されました。このままいけば地球の(平均)気温が4℃くらい上昇してしまうのを、なんとか1.5℃から2.0℃に抑えないといけないという危機感から、今世紀半ば過ぎのなるべく早い時期に、二酸化炭素の増加を完全に0にするという方向が打ち出されたのです。
そのためには革新的な変化を生み出さないと地球が立ちゆかなくなることをきちんと伝えていけたらと思っています。

 環境の悪化が我々に迫ってくることを議論することによって、社会は大きく変わらざるを得ないので、そうした議論を巻き起こしたいという思いがあります。そのことで私も小さいながら社会貢献できたらいいな、という風に思ってます。

 ※1 パリ協定:
 2015年12月12日 COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で
 採択された協定
 参考:環境省ホームページ(http://www.env.go.jp/earth/cop/cop21/
    「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)及び京都議定書
     第11回締約国会合(COP/MOP11)の結果について」

※2 SDGs:持続可能な開発目標
 参考:国際連合広報センターホームページ「持続可能な開発目標(SDGs)とは
   http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/ sustainable_development/2030agenda/)

 

(問4)今後、女性達がこうなっていたらいいな、というイメージがありますか。

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 講演ではお話しできなかったのですが、世界経済フォーラム※3 の男女格差ランキング3位のフィンランド大使館の方とお話しをして、フィンランドの父親の8割が、育児休業を取っていると伺いました。

 日本でこれを実現するには時間がかかるのでしょうが、お子さんはご両親たちを見ているので、お父さんもお母さんも家事をやり、育児もする姿を見ていれば、そのお子さんにとってはそういうことが当たり前になる時代が来ることになります。
女性たちが当たり前に働きながら家庭を持ち、そのことに対して女性達自身も自己肯定感を持って生活できていけたらいいな、というイメージを持っています。

※3 世界経済フォーラム(World Economic Forum):
 1971年にスイスのジュネーブに本部を置く非営利財団として設立。
 グローバル・シチズンシップの精神に則り、パブリック・プライベート
 両セクターの協力を通じて、世界情勢の改善に取り組む国際機関。
 平成27年11月、「The Global Gender Gap Report 2015」において、各国における
 男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表。

 参考:内閣府男女共同参画局ホームページ
    「世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2015」を公表」
    (http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2015/201601/201601_03.html